老人介護でデイケアサービスというのがある。
朝の9時ごろに迎えのバスがやってきてデイケアサービスセンターまで
乗せていってくれて施設で面倒を見てくれる
お遊戯や昼ごはん、お風呂も入れてくれる・・・・・
保育園より面倒をみてくれるくらいだ。
そして午後の4時ごろには家まで送ってくれる。
親父は脳梗塞で倒れて動きが緩慢になってから
このデイケアサービスを受けている。
普段はオフクロと二人で実家にいるが週に5日は施設に通っている。
今回オフクロが検査入院するにあたって親父一人で実家に置いておくわけにもいかず
施設にショートステイさせてもらうことにした。
ショートステイとは一週間とか十日間とか期限を決めて預かってもらう制度だ。
当初親父は嫌がっていたがオフクロが説き伏せて預けた。
昨日、アキラが帰ってきたので夕方親父に会いに行ってきた。
親父は眠っていたが目覚めて俺の顔をみると「おうッ・・」と片手をあげて
応える・・・・決して「こんなとこに入れやがってッ・・・」などとは言わない。
そして、思い出したようにアキラに親父は言う
「いつもなら家まで送ってくれるんやが今日は送ってくれんのや・・・・・・」
一週間この施設で寝泊りするということになったんだということをもう覚えていないのだ。
幸いなことに親父のボケは優しいボケである。
聞くところによると、訳もわからず徘徊する老人や
「ワタシの預金通帳盗んだやろ!・・・」と怒鳴る老人など
世話の焼ける老人も多いという・・・・・・
その点、ウチの親父は穏やかである。朝起きてからもテレビもつけずにじっとしている。
新聞を読んでいたかと思うと、同じページから何時間も動かない・・・・
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生きるのは難しい、死ぬのも難しい・・・・・・
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今日は猛母の手術がある。全身麻酔で腎臓、尿道、膀胱から細胞を採取してくる。
「目ぇ醒めるまで待ってえんでもええからなッ さっさと帰れよッ・・・・」
と、昨日言い渡された・・・・・
・・・・・大丈夫や、母ちゃん、待っててやる・・・・・・
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昼から猛母の病室で彼女の手術が終わるのを待つ
明日のP行きの伝票も持ち込んで書き上げたが
まだまだ猛母の手術は終わらない・・・・・
読みかけていた

狼花  新宿鮫IX (新宿鮫 (9))

狼花 新宿鮫IX (新宿鮫 (9))

を読み終える・・・・
それでもまだ終わらない・・・・
4時半ごろになってようやく終わって病室に帰ってきた。
猛母は全身麻酔で眠っている・・・・・・
1時間ほどベッドの脇に座って足をさすっていたが
体力の限界を感じて看護婦さんに頼んで帰ってきた。
医者の話では土曜には退院できるそうだ・・・・・
俺は疲労困憊である・・・・・
頑張れ、俺・・・・・
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F医科大から戻ってきて風呂屋に行き
明日の食料を買い込んでから親父に会いに行ってきた。
ベッドに横にはなっているが眠ってはいない
「アキラは帰ったんか?・・・・・」と聞いてくる
昨日アキラが来たことは忘れていないらしい・・・・
「また来る・・・」と言って帰ってきた・・
俺の長い一日が終わろうとしている
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・・・・・明日のために今日はもう寝よう・・・・・・・・・