今日は猛母の83回目の誕生日である・・・・・・・
良くも悪くも猛母は自然児である・・・・感情の赴くまま生きている・・・・・
感情の起伏は激しく、野生の勘は尋常でないくらい鋭い・・・・・
なにしろ70歳を超えてなお荷受けの若衆をダンボールの空箱で殴った女である。
若かったころはいかばかりか想像ができよう・・・・・
しかしながら彼女の周りにはいつも人が集まった・・・・・
その天真爛漫で人をひきつける話しにみんなが集まってくるのである
所謂「スター」の星の元に生まれてきたような女である。
1男4女の末娘として生まれた彼女は幼い頃は父親が大好きで母親が大嫌いな少女であった
父親は40歳を過ぎてから授かった末娘の彼女をことのほかかわいがった・・・
夕飯時分になると父親の膝の上が彼女の指定席であったようだ・・・・
父親は自分に言い聞かせるように彼女に人生哲学を語った。
「ええか・・○○子、儲かるッと思ったら寝ないでも働けよ・・・・
そして儲かったら浮かれてその金を使うんじゃねえぞッ・・・じっと持っておくんや
不況ってえのは必ずやってくる・・・・・・
そうしたら絶対あせってはいかん・・・・・
そういう時に儲けた金をのんびり使って時勢を窺うんや」
彼女はその父親の言いつけを忠実に実行したという
「だから母ちゃんは今は幸せなんや・・・・」と遠くを見るような目でつぶやく・・・
一方、大嫌いな母親はというとこっちは小言の多い親だったらしい
やんちゃでかんしゃく持ちでおてんばな末娘の行く末を案じて
毎日毎日小言を繰り返したらしい
「人様に『奢ってくれ』なんて下種(げす)なこと言うたら家に入れんからな!」
「また隣の子、泣かしたんか!謝ってこぉ!!」
猛母は少女の頃の話もよく俺にする・・・・・・・
心は今でも女学生である・・・・・