「のんびり待っていてくれ・・・・・・」と言うのでのんびり待っていたら
どうやらシンちゃんは昔の住所に例のブツを送っちまったらしい・・・・・
俺は俺で(なかなか着かんな〜〜)と思っていたし
シンはシンで(なんじゃアイツ、送ったのに着いたという知らせもよこさんと・・・)
と思っていたに違いない・・・・・・・
まッ 単純な行き違いですわな・・・・・・・と、晴れた空を見ながらのんびり考える
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ところが、夕方かかってきた猛母からの電話にはのんびり構えているわけにはいかなかった
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「とにかくちょっと来い!・・・」と言われ、実家までクルマを飛ばして行くと
猛母は暗い顔をして居間に座っていた・・・・・・・・・
「どうした?何があった?なんや?なんや?」と問いかけると
横浜の親戚の姉さんから電話があって、マナブが今月で会社をクビになるらしいと言う・・・
クビの理由は、入社以来8ヶ月も経つのに未だに遅刻を繰り返し会社に出てきてからも
眠たそうな顔をして一向に仕事を覚えようとしないらしい・・・・・・
そこで4つあるチームのどれもがヤツにNOを突きつけたというのだ
決して難しい仕事ではない・・・・・そして日本中が不景気にあえいでいるこの時期に
毎年、増収増益を繰り返している超優良企業だ・・・・・就業時間も短く休みもしっかりある
それなのにこの体たらく・・・・・・・怒るというよりあきれてモノも言えない・・・・
青ざめている俺に猛母が「マナブに電話をせい!」と命じる・・・・・
その場でマナブの携帯に電話する・・・・・俺は怒る気力もない・・・・・
猛母が電話を換われと言うので携帯を渡すと、容赦の無い叱責が始まった・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
猛母の怒りは凄まじく、たとえ孫であろうと一切容赦は無い・・
それは例えて言うなら
古いものから新しいものまで傷という傷は見つけ出し、指でこじあけ
すべての傷口に辛子を塗りたくるようなものであった・・・・・・・
俺は呆然とその様子を見ていた・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あれだけ怒られてもマナブの心にどれだけ届いたか定かではない
とりあえず向こうで就職先を探してみると言ってはいたが
今の世の中、アイツがしたい仕事につけるかどうか・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・無一文になってから思い知ればいい・・・・
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あのな、マナブ・・・・・世の中な・・・・みんな我慢してるんや
自分の好きなことを仕事にしている人間なんか、ほんの一握りや・・・・
世の中の大多数の人間は
好きなことを仕事にしてるんじゃなくて、その自分の就いた仕事を好きになるよう努力してるんや
お前みたいな腑抜けた考えではどんな仕事に就いても長続きせんぞ・・・・・・
思えば、お前を見限ったマリちゃんは賢いオンナやった
お前みたいなアホについて行ったら絶対幸せなんかにはなれるはずがないもの