良くも悪くも俺の人生は爺さんに始まり爺さんに守られて展開している・・・・
・・・・・ような気がしている・・・・・・・・
爺さんは半分ヤクザのような気性の激しい男だった・・・・・・
そしてこの爺さんには息子が一人しか居なかった
その息子が俺の親父である・・・・この息子も我の強い男であった
爺さんと親父が一緒にいると殺気が充満していたという・・・・
その親父のとこにヨメに来たのが火の玉のような俺のオフクロである・・・
そりゃあもうとんでもない家族構成である・・・・・・
ところがこの夫婦にはなかなか子供が授からなかった・・・・・
結婚して8年目・・・・・・もういいかげんあきらめかけていた頃
俺がオフクロの腹の中に宿った・・・・・・・
ケチで始末屋の爺さんが「100万円(今の貨幣価値なら1億ぐらいか)もらうより嬉しい」
とつぶやいたという・・・・・・・
そんな処へ生まれた俺は”エンペラー”として育てられた・・・・・
爺さんが俺を抱く姿は、「抱く」というよりも「捧げ持つ」と表現したほうが
いいくらいだったと語り草になった・・・・・・・
爺さんは俺が高3の時にこの世を去ったが俺の中ではいつまでも生き続けている
だから俺は今でも爺さんの(想い)の中で生きている・・・・生かされているのだ・・・
俺は何か困ったことに巻き込まれるといつも爺さんに助けを求める・・・
そうすると不思議なことにどこからか救いの手が差し伸べられて事件が解決してしまうのだ
欲しいものも爺さんに頼めばたいがい手に入る
(今度はこんなタイプの女がいいなあ〜)と思えば
ちゃんとそういう女が目の前に現れる・・・・・・・・
でも少し困ったことに例えば俺にとって苦手なタイプの人間に対して
こんなヤツ、死んじゃえばいいのに・・・・・と想うと
コロっとその人間が死んだりしてしまうことがあるのだ・・・・やはりこれはまずい・・・
だからそういうことはなるべく想わないようにしている
俺は運が強いとよく人から言われるがそれは俺の運が強いんじゃなくて
きっと爺さんがどこかで守ってくれているんだと思っている・・・・・
人生の中でそういう場面に出くわしたことが多々あった・・・・・・
俺は爺さんのことを想うときにいつも子供達のことを想い浮かべる・・・・
俺は爺さんに守られて今まで生きてこれたけど
あいつらはこれからどうやってこの人生の荒波を乗り越えていくのだろう・・・心配である・・・
心の中で「頑張れよ・・・・・」と、祈るしかない・・・・・