親父は土曜日の午前6時58分に死んだ・・・・・・
俺は午前中の配達があるから駆けつけることはできない・・・・
もっとも、駆けつける気などはさらさらなかった・・・・
親父はもう死んだのだ・・・・・死んだ親父に何の意味がある?
俺は冷たいのだろうか?・・・・・・
親父を偲ぶことはいつでもできる・・・・・
俺の頭の中はこれからの怒涛の3日間をどう凌ぐかでいっぱいだった。
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午前中の配達の最後に猛母の病室を訪れる・・・・・
猛母は病の床で肩で息をしていた・・・・・・
俺は猛母の手を握りながら親父が死んだことを伝えるべきか否か
さんざん迷った・・・・・・・
猛母に親父の死を伝えたところで死んだ親父が生き返る訳ではない
猛母の病状がこれから良くなって親父の死を伝えなかったことを
なじられたら・・・・あえて受けよう・・・・・
そう考えて、オフクロの病室を後にした・・・・
親父の骸が家で待っている・・・・・・
何をしたらいいのかさっぱりわからないが
きっとやらなければいけないことは山ほどあるのだろう・・・・
荒れ狂う海に船を漕ぎ出す気分で実家へとクルマを飛ばした・・