京都のあげた亭で酒を飲んでいる時にオオニシ君から
「トネさんはあんなに相手の待ち牌が解るのにどうして負けるのですか?」
と聞かれた・・・・・・返答に困る・・・・・
理由はいくらでも説明できるが居酒屋でマージャンの講釈を垂れるのは
無粋のような気がして、ヘラヘラと笑い返しただけだった・・・・・
まッ しいて言うなら「そんなことをしてまで勝ってもちっともおもしろくない」
っていう感じか・・・・・・・
Nのリーチに対して対面に座っていた俺は
「一点読み!二・五ピン!!」と宣言した・・・・・・
Nの河を読んであたりをつけたわけではないのだ・・・・
ついでに言うとどうして叫んだのかも自分でもよくわからないのだ・・・・
しいて言うなら・・・・いつかどこかで見た風景・・・・・・・
何万回、何十万回、何百万回、何千万回(?)と闘牌を重ねてきて
何度も同じ場面に出くわしてきたのだろう・・・・・
いつのまにかNとの間にはそういう関係が出来上がってしまったのだ
あの場面でいうならあそこでもしオオニシ君が四枚目の二ピンで打ち込まないで
場が進むときっと俺が八ピンをつかんでくるのである・・・・・
そして10回に8〜9回の割合で「こっちは通せ!!」と言いながら
八ピンを打ち込み、にっしゃりとした顔でNが牌を倒す・・・・
ということになる・・・・・・・・のだ・・・・・・
どうしてかは解らないがそういうことになっているのだ・・・・
そして極稀にではあるが10回に1回あるかないか本当に稀に
俺の気まぐれで八ピンも握りつぶすことがある・・・・・・
そういう時は対面のNに対して「お前の当たり牌を握りつぶしてやったぞ」
とは言わない・・・・・・ひとり胸の中でほくそ笑んで洗牌を始める
そういう時は大抵勝てるときである・・・・・・・
でも?だから?・・・・・最初の言葉に戻るのだ
そんなことをして勝ってもちっともおもしろくない・・・・・