猛母に残された時間はあとほんの少しでしかない・・・・・
昨日の夜、医者の説明を聞きながらヒロコ姉さんと相談して
今日中に実家に連れて帰ることにした・・・・・
最後のときを自分の家で迎えさせてやろうと思ったからだ
その最後のときがいつ来るのか解っていれば付いていてやれるが
俺も24時間付きっ切りというわけにもいかない・・・・
そこでなるべく猛母が一人だけになる空白の時間を作らないように
昨日から今日にかけて関係各位に協力を要請した・・・・・
午前8時〜9時はヘルパーさん、午後3時〜4時は訪問看護
俺は午前3時から午前中は家に帰れない・・・・・
ヒロコ姉さんは今日一旦ヨコハマに戻りまた金曜に来てくれることになった
そこで水曜の夜と木曜の夜はアキラに実家に泊まりこんでくれるように
頼んだ・・・・・・・
あとは今日の午後、どうやって寝たきりの猛母を実家まで運ぶかだ
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ところが、今日の昼に病室を訪ね
「家に帰ろうな・・・・・」と声をかけると
猛母は「ここ(病院)に居る・・・・・」と応える・・・・
家に居てはどうしても一人で居る空白の時間ができるから
それが怖いのだ・・・・・・
ここまで来たら今からハワイへ行きたいという望みでも叶えてやりたい気分だ
慌ててケアマネージャーに電話してヘルパーと訪問看護をキャンセル
医者に平身低頭して入院を伸ばしてもらった・・・・・・
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猛母の意識はしっかりしている・・・・・これが彼女の出した結論なのだ
苦しい息遣いの中ささやくようにつぶやいた・・・・・
・・・・・・・・・・「もうアカンと思う・・・・・」