水戸黄門には助さん・格さん、V9時代の川上監督には王・長島が居たように
俺の猛母にも商売が上り坂の時にはQさん・高島くんという二人の若い衆がついていた
どちらかというとQさんは長島タイプで高島君は王タイプの若者だった
Qさんは多才で顔も広くいろんなイベントの司会などもこなしていた
そのQさんが今は病の床についているといううわさを数日前に耳にして
昨日、Qさんの家に見舞いに行ってきた・・・・・・・
Qさんは病気のせいか酷く痩せていて
昔、回転寿司で回ってくる皿を一人で食べつくしてしまい下席に居る人から苦情が出たという
健啖家の面影は見る影もなく老いさらばえていた・・・・仕方が無い
話しを聞くと去年の2月に受けた健康診断で異常が見つかったが半年ほど無視していたらしい
それでも医者から再検査をうるさく言われしぶしぶ病院に行ったところ大腸に大きな腫瘍が見つかった
即入院、即手術・・・・・のはずが手術前の全身検査で今度は脳に腫瘍が見つかった
順番から言うと脳腫瘍の摘出のほうが先である・・・・・・
そこで今年の初めごろにまずは脳腫瘍の手術を受けてなんとか成功
あとは大腸の腫瘍の摘出であるがこれは体力の回復を待って
ということになり今は家で療養しているらしい
昔の元気な姿を知っている俺には今のQさんの姿はショックだった
これから先、たとえ大腸の腫瘍の手術がうまくいったとしてももうイベントの司会などで人前に出てくることはないだろう
あれだけ飛び回っていた人がこれから先はじっと死を待つだけの余生を送ることになる
なんだか哀しい・・・・・・・
Qさんのようにならないでおく手段が一つだけある
それは検診を受けないことだ
身体が危険なサインを送るぎりぎりまで我慢してから病院に行き
「もっと早く来ていれば助かったものを・・・・・」と言われながら
なんとか痛みだけモルヒネで散らしてもらいながら死を迎えるのだ
「命を粗末に扱う」と言う人もいるだろうが果たしてそうだろうか?
俺は決して積極的に死を望んでいるわけではない
ただ自分の寿命がくるまで自然にまかせて、その時が訪れたら素直に受け入れようと思っているだけである
命を粗末に扱うというのは自分の運を試すために猛スピードで赤信号を突き切ったり
前後不覚になるほど深酒をして自分の身体を痛めつけるようなことを指すのではなかろうか
俺は交通ルールはきちんと守るし食べたいもの呑みたいものを適量だけいただく
決して無理はしない
そしてその時が来たなら「ありがとうございました」と手を合わせるつもりだ
それはそれでひとつの考え方だと俺は思っている・・・・