我が家は代々東本願寺の門徒である・・・らしい・・・まあそれぐらいの信仰心だ
東本願寺は京都に本山があり親父が亡くなった時と猛母が亡くなった時の2回だけ納骨に行ったことがあるがそれはそれは大きくて荘厳で立派な寺である
その本山の支社みたいなものが各地にあって福井にも東別院という寺がある
そしてその別院の下部組織として下々の寺があるというわけだ
檀家は寺にお布施を渡し、寺は別院へ、別院は本山へと・・・・・・
まあヤクザのみかじめ料みたいなシステムが出来上がっている
俺の高校時代の友達でツジモリというヤツが居て、こいつが寺の息子だった
俺は高2高3とこいつといつもつるんでいて毎日ケラケラ笑っていた・・・・
そのツジモリは高校を出てからは地元の大学の福井大学に進学して大学卒業後は東本願寺に就職した
寺と言っても大きな会社みたいなものなのである
東本願寺に就職してからは各地の別院に赴任しながら段々とその地位を上げて行ったみたいだ
結婚後ももちろんずっと単身赴任で金曜の夜に福井に帰ってきて日曜の夜に赴任先に戻るという生活を30年以上続けている
我が家は親父が亡くなった時から別院の檀家になったので毎月別院の会報がが送られてくる
信仰心というものが昭和30年代のカルピスぐらい薄い俺は大抵は中身も見ずに捨ててしまうんだが今月の会報が入った封筒だけはどういう気のまぐれか開ける気になった
すると、なんと!福井別院の館長が入れ替わり7月からツジモリが一番の偉いさんになるというではないか!
おいおいおい・・・・・・今はもう8月だぞ!・・・アイツ!俺には挨拶なしか!
そこで早速ツジモリにメールを打った・・・・
「こらこら!福井に帰って来たのなら挨拶せんかい!」
うむむ・・・・・我ながら横暴である・・・・生意気である・・・・
それでも俺の性格を45年も前から知っているツジモリから翌日に電話がかかってきた
・・・・・「トネさ~~ん!ゴメンね~~~!」・・・・よしよし・・・
いくら福井で一番偉い坊さんになったとしても俺にとっては「おい!お前!」である