昨日は猛母の月に一回の検診の日・・・・・
担当のドクターは
「何も悪くはなっていません・・・」と言ってくれた
Mワクチンが効いているのか癌の進行は抑えられているようだ・・・
「それでもセンセ・・・何も食べたくないんです・・」
と訴える猛母・・・・・・
「一日中寝てばかりいますからね〜
そりゃあ腹も空きませんわ・・・・」と、横から俺がチャチャを入れる・・・
担当のドクターは困った顔をして
「なるべく動くようにしてくださいね・・・・」と言うだけだ・・・
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猛母は自分が老人のくせに老人が嫌いだ
俺がデイケアセンターに通うように勧めても
「ああ!いや!いや!」とまるで聞き入れてくれない・・・・
小奇麗なデイケアセンターに通えば送り迎えもしてくれるし
食事も風呂もすべてケアしてくれるのだ・・・・・
それに第一、生活が規則的になる・・・・・・
猛母はこのごろは毎日、昼ごろに起き少し食事をしたかと思うと
すぐまた寝てしまう、夕方には起きるが夕飯を食べるとまた寝てしまう
そして夜中から朝まで布団のなかで起きているのだ・・・・・
これでは健康な人間でも弱ってしまう・・・・・・困ったものだ・・・・
今日も午前中の配達の帰り11時ごろに実家に立ち寄ったら
フラフラと起き出してきて
「今、起きましたあ〜〜〜〜」と、幼女のような声を出していた・・・・
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仕方あるまい・・・・・好きにさせるしか・・・・・
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今から30数年前、あれは二十歳の頃・・・・・・・
北海道の女性と遠距離恋愛をしていた・・・・・・
今から思えばそれは恋愛と呼べるかどうかも解らないほどの幼稚なものだった・・・
俺は体力とヒマだけは腐るほど持て余している典型的なノータリン大学生で
彼女は高校卒業後すぐに就職した立派な社会人だったから
同じ歳にもかかわらず二人の精神年齢は10歳以上も離れていただろうと思う
俺はバイトで金を貯め、春先に彼女に会いに行くことにした・・・・
善は急げ!とばかりに彼女に電話した
「明日、行くわ!!」(当時の俺には羽が生えていたのだ・・・・)
「え?!明日?!」と、彼女はかなり驚いたが
それでも気持ちを立て直して会ってくれることになった・・・・
夕方には仕事が終わるから札幌の大通公園に面した
○○という喫茶店で待っていてほしいと言う・・・・・
翌日の午前中の飛行機で千歳に着いた俺は勇躍札幌に向かった・・・・
そして彼女が指定した待ち合わせの喫茶店へ行くと・・・・
なんと、店は臨時休業・・・・・・今と違って携帯電話など影も形もない時代だ
俺は途方に暮れてしまった・・・・・・・
しばらくその喫茶店の前で立っていたけど寒くて仕方ない
春といっても北海道は本当に寒いのだ・・・・・・・
あれこれ思案したが何も想い浮かばないのでその喫茶店の裏口を探してみた
裏口の戸を開けて中を覗いてみると明かりが点いている・・・・・
中に向かって「すいませ〜〜〜ん!」と大声を張り上げたら
マスターらしき人が出てきてくれた・・・・・・
訳を説明して、店の中で待たせてもらえないかと頼み込むと
「いいよ・・・」とマスターが言ってくれたので店の中に入っていった
店の中ではマスターとマスターの友人らしき人たちでマージャンをしている最中だった・・
俺は店の中の椅子を引っ張り出してきてマスターの後ろに座り
ぼんやりと彼らのマージャンを見ていた・・・・・・・
しばらくすると、そこでまた一人裏口からその店のマスターにお客さんがやってきた
どうやら若い女の子でその店のウエイトレスのバイトの面接に来たらしい・・・・
マスターはちょっと困った顔をしたが、すぐさま俺に向き直り
「君、マージャン打てる?」と聞いてきた・・・・・
「はあ〜〜・・・・並べるぐらいなら・・・・」と俺が答えると
「じゃあ、ちょっとだけ俺の代わりに打っててよ・・・・・
今んとこ浮いてるし・・・・レートも安いから別に打ち込んでも構わないからサ」
と言って、マスターは別室に女の子と消えていった・・・・
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俺に代わってからの1局目は対面の男の人が積も上がりをした・・・・・
そして2局目・・・・・俺の配パイはクズばかりだ・・・・・・
仕方がないのでぼつぼつと国士を目指す・・・・・・
ところがこれがなんと!・・・・スコスコと積もってきてしまい
12巡目ぐらいに上チャの捨てた9ピンで国士を上がってしまったのだ!!
上チャの男性が俺の上がった手配を穴の開くほどみていた・・・・・
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しばらくしてウエイトレスの女の子の面接を終えたマスターが戻ってきて
俺と代わり、ほどなくして俺の彼女も現れその店を後にした・・・・
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当時、毎日のようにマージャンはしていたが
まさか北海道に行ってまで牌を握るとは思ってなかったし
ましてや役満を上がるなんてことは夢にも思わなかった・・・・
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結局、俺はそういう星の下に生まれついてしまったのだ・・・・
自分の好むと好まざるとに係わらずトラブルは向こうのほうから
スキップをしてやってきてしまうのだ・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
こんな俺のトラブルはお祭り好きのNの格好の餌食となる・・・・
こんな青春がおもしろくない訳が無い・・・・・