大学時代の友達にフジキというやつがいる
奇術クラブで知り合って下宿が近かったせいもあって毎日のように一緒に遊んでいた
ヤツは丹波篠山の出身で話術が軽妙で俺はヤツの話に腹をよじらせて笑ったものだ
学校を卒業してからはお互いに連絡を取らなくなったが
3年ほど前に気まぐれに連絡をとってみたらヤツもたまにランニングをしているということがわかり
一緒にその春の淀川ハーフマラソンの10kmの部に参加した
一昨年にはこれも音信不通だった徳島のマツウチやNや鈴木のセンセと
みんなで大阪で集まり旧交を温めあったものだ
そのフジキの同郷の学生でホソミ君という男の子がいた
名前の通りうらなり瓢箪みたいな色白でほっそりした男の子だった
この子とはそれほど仲良くなった覚えはないがフジキとの関係で何度かはマージャンしたり飯を食ったりしたことはある
土曜の夜に日曜の三田マラソン大会に向けてささやまで宿をとった俺は
久しぶりにフジキのことを思い出してメールを打ってみた
「このへんはお前んちの近くじゃなかったっけ?」
返事は翌日の昼過ぎに返ってきた
「今、メールみました。ところでホソミ君が先月亡くなりました」
どうやら何年か前にガンが見つかってはいたそうだが
年に何回かはフジキは東京でホソミと会食をしていたそうだ
俺にとってものすごく近い人間の死というわけではないが
こうやってだんだんと外堀から埋められていって自分の番を意識するようになるんだろうな
外はいい天気なのに気分はちょっとだけブルーだ・・・・・