ふと気が付くとお金を数えることが苦痛でなくなっている・・・・・
俺は毎朝、市場が終わると事務所に戻ってきてその日の売り上げを
数えるのが日課である・・・・・・
お札を数え、硬貨を10枚ずつ積み上げ両替分を差し引いて
その日の売り上げを出す・・・・・・
とても簡単な作業だ・・・・・
ところがこの簡単な作業がここ半年間は俺にとってはかなりの苦行だったのだ
たったこれだけのことをするのに何度も休憩をしなければならなかった
それがここのところ少しずつ苦労を感じなくなってきている・・・・
やはり目に見えないほどだが回復してきているのだろう・・・
少しずつ、少しずつだ・・・・・・
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モリシゲの運は太い・・・・・そして厄介なことに本人はそれに気がついていない・・・・
例えば2筒−5筒の待ちで2筒が出ればタンピン3色ドラドラのハネ満
5筒が出ればタンピンドラドラの満ガンという手が入ったとしよう
普通の打ち手なら5筒でも満ガンなのだから出れば当然牌を倒す
ところがこういう場合でもモリシゲは5筒では上がらないのだ・・・・
5筒が出ても平然と見送り、2〜3巡ツモ切りを繰り返した後
「んもうッしゃ〜ないなあ〜・・・」と言いながらリーチをかけるのだ
ちょっとした打ち手なら場がシュンツ場で5筒を見逃してから
ツモ切りを繰り返し手変わりをしていないのだから
2筒−5筒−8筒の筋は黙っていても通ると読む・・・・・
ただしこの場合、他の打ち手がツモ切りか手出しかを見ることが出来るほどの
技量がなければならない・・・・・・
このモリシゲの変則打法に見事に討ち取られたのが
今は亡きサンスポの山本ユタカである・・・・・・・
何年前のことだか忘れてしまったが関大前の阪急ビリヤードの雀荘
大勢で卓を囲んだ時の話しだ・・・・・・
ユタカが苦笑いしながら横の卓に座っていたNに話しかける
「ナカヤマ〜ッ!この兄ちゃん、アカンで!」
Nはニヤニヤしながら応える
「なかなかおもろい打ち方するやろ?・・・・・」
ユタカが叫ぶ
「反則やで!」
そのやりとりを聞いていたモリシゲがボソっとつぶやく・・・
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「満ガンぐらいで上がっておもしろいけ?・・・・・」