元嫁は昨日から昔勤めていた会社にパートとして復職している

会社を定年退職してから2年ほどはあこがれだったリタイア生活を満喫していたみたいだが

元の会社から三顧の礼で迎えられしぶしぶ復職を決めたみたいだ

なるべく復職などしたくなかった彼女はかなり高いハードルを会社に要求したみたいだが

パートでありながら月に6回の出社とタクシーでの送迎というまるで重役待遇で会社は彼女を迎えたみたいである

会社はよほど彼女の営業力が欲しかったのだろうと推察する

彼女の営業力の高さについて俺は昔から高く評価していた

俺は彼女が30代の頃から営業職に就くことを勧めていたが彼女はどうしても事務職がしたかったみたいで薄給に甘んじていた

俺の勧めに応じて保険会社か証券会社の営業職に就いていたなら今頃はひと財産築いていただろうに残念だ

まあでも人生はお金だけではない

事務職でさんざん失敗を繰り返したあとで彼女は着物の販売というこれまた日本の斜陽産業に飛び込むことになる

ところが俺が睨んだ通り彼女はここで類い稀なる営業の才能を開花させる

あんな売れない物でも売ってしまうのだから売れるものを売ったらどれだけ売ったか分からない

彼女を見ていると商売は物を売るのではなく人を売るのだということが本当に良くわかる

彼女はお客から愛される才能があるのだ

やはり人間は人と関わってなんぼのもんだと俺は思う

彼女のこれからの人生がより豊かにならんことを切に願う・・・・