説明書を見ながらレコードプレーヤーの針を調節して
15年ぶりぐらいにレコードを聴いた・・・・・・
あのシャリシャリした音が懐かしくて泣きそうになる・・・
器械そのものは本当に安普請で、なんとカセットの挿入口が
左側面奥にある・・・・・・こんなのってアリかあ〜?
ビックラコや・・・・・
//////////////////////////////////////////////////
明日はいよいよ生まれて初めてマラソンのハーフに挑戦する
今回ばかりは本当に不安である・・・・
いつもいつも目標は完走だと言ってきたが
今回ばかりは本当に目標は「完走」である・・・・
こないだ走ったおおいマラソンではゴールした地点で
もう一歩も動けないほど疲弊していた・・・・・
明日はあれの倍を走ることになるのだ・・・・
ここんところのトレーニングでは全身をくまなく鍛えることに
重点を置いている・・・・足の筋肉も表も裏も横も、とにかく
餅やトーストをこんがりと焼くみたいにまんべんなく少しずつ鍛えてみた
そのせいかどうかはわからないが足の痛みは今のところない
それとストレッチはひつこいぐらいにしている・・・・
イラチの俺としてはこのストレッチが一番苦手なのだが
背に腹は替えられない・・・・
とにかく明日はなんとかハーフを完走して美味いビールを飲みたいと思っている
/////////////////////////////////////////////////////
「ホンマになあ〜・・・・あの時だけは信じられへんかったわ!」
と、その場面を振り返るたびにヤマネ君は何度もつぶやいた・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
俺たちが大学に入学したのは1976年。
まだまだ社会も学生さんに大甘の時代であった・・・・
昨今のようにカンニングをしたくらいで、たとえそれが入学試験であろうとも警察に通報するようなアンポンタンは絶対にいなかった時代である・・・
さて、浮かれ気分で大学にやって来た俺たちに
その頃はまだ教授になり立てだった若いKという教授がこう言った
「君らもせっかく大学に入学したんやからなんかこう青春の証みたいなもんを
学生時代に残したらどうや?例えばナントカ研究会を自分の手で造ってみるとか・・」
その言葉に即座に反応したのがイチビリの鈴木のセンセである・・・・
彼は早速「占い研究会」という同好会を立ち上げて初代部長に収まった
顧問はくだんのK教授である・・・・・・
「占い研究会」といっても実態は女子大の文化祭に押しかけて行って
手相をみるふりをして女子大生の手を握るのが目的という不埒なクラブである
そんな不真面目なクラブではあったがいや不真面目だからこそ
夏になってそんな必要は全くないのに夏合宿をしようということになった
場所は長野の斑尾高原である
俺は鈴木のセンセに頼まれて名前だけの幽霊部員だった・・・・
ちなみにNのヤツも今では聖人君子みたいな顔をしているが
あの頃はしっかり正真正銘の由緒ある正統のスケベだったので
ちゃんと部員にはなっていた・・・・まッ俺と同じで名前だけネ・・・
俺は夏合宿にはあまり興味がなかったのだ・・・・・
大体にして俺は群れるのが嫌いである・・・・面倒臭いのだ・・・・
だからその日、占い研究会の夏合宿で梅田に集まるというのは聞いてはいたが
はなから行く気はなかったのだ・・・・・・
俺が部屋でうつらうつら寝ていると先輩の方が電話がかかっていると呼びに来た
あの頃はもちろん携帯などなく下宿にひとつだけ受信専用の電話があったのだ
電話に出るとセンセからだ・・・・・国鉄の梅田のコンコースにみんな集まっているという
「トネ!何しとんや!はよ、来いや!」センセが珍しく怒鳴っている
「俺はいいわ・・・パスするわ・・・みんなで行ってこいや」
と俺が寝ぼけた声で答えると
「何言うてんねん!!お前が来んとおもろないやんけ!」
とセンセにしては珍しく粘る・・・・思いっきり後ろ向きな俺はなおもぐずる
「せやけど今からでは梅田の電車の時間に間に合わへんし・・・・・
ひとりで長野までなんかよう行かんし・・・・・・・」
するとセンセはとんでもないことを言い始めた・・
「んもうッ!!しゃーないなあ!俺が今から迎えに行ったるわ!」
?????!!!!!!!
なんとセンセは同好会のみんなを引率する立場にありながら
その役目を副部長のヤマネ君に押し付けて俺を吹田まで迎えに来たのだ
一番驚いたのはヤマネ君である・・・・・・
「ええ〜〜!!トネを迎えに行くって??!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
鈴木のセンセは昔からそうなのである
何故だか知らないがヤツは俺に対して
「あいつには俺がついていてやらんとアカンのや」と思い込んでいるみたいなのだ
だから今まではまとまった休みなどほとんどとったことがないのに
俺がプー太郎になってからは頻繁に休みをとって俺にかまってくれている
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そのセンセがもうすぐやってくる・・・・・
明日からはまた二人で弥次喜多道中だ・・・・
まあそれでもさすがのセンセも明日のマラソンだけは
身代わりにはなってはくれんやろけどネ・・・・・ナハハ