「マラソンのコツを教えろ!」と、60歳年下の孫が俺に向かって言う
これがシュウちゃんならニコニコして「マラソンというのはな・・・・」と諭すように話しかけるのだろうが俺の場合はそうはいかない
まずはその言い方にカチンときてしまう
「は?!お前、誰に向かってその口の利き方しとんじゃ!」と心の中で舌打ちする
これが自分の息子たちが相手ならいきなりほっぺたをねじり上げるか拳骨を振り下ろすかだが孫相手にはさすがの俺もそんなことはしない
だいたいそんな口の利き方をしたらどうなるかぐらいは想像出来るので俺の息子たちはそんなことはしたことないから仮定が成り立たない
そして、やはり俺と孫にはこれまで共有した時間が圧倒的に少ない
一緒に寝たこともないし風呂も1回ぐらいしか入ったことがない
二人してゲラゲラ笑ったというような記憶がないのだ
だからヤツも俺の人間性を理解していないのは仕方のないことなのだ
そんな俺がいきなり孫をぶん殴ったらそれこそ暴力による虐待になってしまう
それでもこれから先いつまでも俺の堪忍袋の緒が切れないとは言い切れない
ヤツが10歳になるころまでは俺も勝てるだろう
だがヤツがハイティーンになったらもう無理な気がする
馬乗りになられて刃物で刺されたら為すすべもない
他人よりはかなり変わっている俺の人生の終わり方としては有りかも知れない
と、ふと思った・・・・・・