何年か前、横浜で暴走族のアタマ張っていた親戚の従姉弟の息子が
福井でスーパーの店長をしていたことがある。
当然、毎日俺の店に来ては俺の後ろに座って俺の仕事振りをボ〜っと眺めていた。
わがままな客の相手をしながら、その客よりわがままな猛母のサポートをして
左足でアタマのいかれた姉ちゃんの頭を押さえつける・・・・というような芸当を
その頃は毎日、毎朝繰り返していた・・・・・
やつはそんな俺の仕事振りを見ながら帰りがけにはいつも感嘆してつぶやいていた
「やっぱ、兄さんはすげえや・・・・・」
俺はやつのおおらかで明るいところが好きだ。
俺がどんなに落ち込んでいてもやつは明るくなぐさめてくれる・・・・
「まッ ファンキーに行きましょうや、兄さん・・・・」
でもいくら好きでも心を許す気にはなれない。
ちょっといざこざを起こした相手のチンピラヤクザを「埋めちまおうか?」って
仲間内で相談したようなやつなのだ・・・・・コワイ、コワイ・・・・
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先週の土曜日、横浜の従姉弟一家はうちの猛母の見舞いをかねて
母方の親戚のバアさんの見舞いにもやってきたのだ。
病院に着いて病室を訪ねると、丁度患者のバアさんを
一般病棟から個室に移している最中で
一家は手伝いをさせられたという・・・・
個室に移したということは「持っても、あと一日か二日・・・・・」ということである。
一家は日曜に「さて、横浜まで帰ってもすぐさま葬式で戻ってくるんでは・・・」
と決断を迫られた・・・・・結局、月曜にはソロリソロリと帰っていった・・・・
その死にかけのバアさんが、なかなか死なない・・・・明日はもう土曜日である。
死にかけという意味では五十歩百歩の猛母が「なかなか死なんなあ〜・・・」
とつぶやく・・・・その、猛母、来週の金曜に再々手術のため入院することが
今日、決まった・・・・・・