白川郷ウルトラマラソンの100kmの部は午前4時スタートだが
50kmの部は午前7時スタートだ・・・・・・
俺はスタート1時間前を目指して4時半頃、福井を出た
5時にはもうボッチから「着いたよ〜ん」というメールが入る
気の早いヤツめ・・・・・
白川郷ウルトラマラソンは予想以上の厳しいコースだった
前半の30kmあたりまでずっと登りが続き、あとは下りが続く
スタートからしばらくはボッチが俺の前を走り
給水所で俺を待っていてくれるという展開・・・・・
それも10km過ぎあたりでいよいよ登りがきつくなってきたら
ボッチも待っていてくれなくなった・・・・・
中間地点よりちょっと先の27・5kmあたりが標高約1500mの頂上だ
そこまではひたすら歩いた・・・・・・
登りの傾斜のきつい場所は歩いて傾斜が緩くなったら少し走ろうと思うのだが
人間とは弱い生き物でふと気がつくと傾斜が緩い場所も知らず知らずのうちに歩いてしまっている
午前11時、スタートしてから4時間かかってやっと中間地点の25kmに着く
このままのペースで行ったら今日中にゴールにたどり着けるのかしらん
と思いながらそれでもひたすら歩いて頂上付近の給水所までたどり着いた
ボッチは影も形も見えない
そこからはずっと下りだ・・・・・・
足首、膝、腰の関節が悲鳴を上げるがなんとか騙しだまし駆け下りる
白川郷の村落を抜けて42・195kmの表示が見える
「ゴ〜〜〜ル!!」と両手を挙げておどけてみせたら
一緒に走っていた若い女性ランナーがクスリと笑ってくれた
まだまだゴールは先なのだ・・・・・・
ところがどういうわけかこの辺から俺は急に元気になってきてしまった
前をあえぎながら走っている若い兄ちゃんに
「もうちょっとや!頑張ろうぜ!」と声をかけて抜き去る・・・・
なぜか身体が軽い・・・・ん?ランナーズハイか?
俺は昔からそういうところがある
徹夜でマージャンを打っていて明け方頃にみんなが疲れた顔をしだすと
とたんに俺だけ急に元気になって
「さ〜!おもろいのは今からやで〜〜」と牌をを積み出したりしたものだ
元来、嫌らしい性格なのだ・・・・・・
それでもまだまだ7km近く走らなければならない・・・・
トホホと思いながら歩を進めていたら45kmあたりでボッチ発見!
坂をあえぎながら走っている・・・・・・
おいおいおいどうした?もうとっくにゴールしているもんだとばかり思っていたよ
また腹でも下したか?・・・・・・・
横に並んで「大丈夫か?」と声をかけると
「お〜〜やっちゃんか・・・・・やっぱり君は夏に強いなあ・・」と汗びっしょりで応える
いやいや俺が暑さに強いんじゃなくてボッチの冬と夏のパフォーマンスが違いすぎるのだ
「先に行ってくれ・・・・・・」とボッチが言うので俺は走り始める
すると最後の最後で我が目を疑うような強烈な坂が待っていた・・・・
残り3kmの地点、今まで47kmを走ってきたランナーにこの坂を登らせるか!?お前は鬼か!?
と毒づきたくなるようなコース設定だ
あのコースを設定した者はは悪魔のようなサディストに違いない
それでもなんとか7時間34分でゴールする
ボッチは俺に遅れること30分・・・・8時間4分で戻ってきた
やーッ!・・・もうヘロヘロや・・・・・
今回ばっかりはあのノー天気なボッチでさえ
「来年はもう出ない・・・・・」とつぶやいていた・・・・・
もちろん俺も出ない・・・・・コリゴリである・・・・・
しんどかったああああ