俺がタバコを止めたのは平成8年の8月だ・・・・・福井花火の日である・・・
決して俺に強い意志があったわけではなく「止めてもいいかな・・・・」ぐらいの中途半端な気持ちからだった
そして俺が本格的に走り始めたのは51歳になる年の元旦からだった
目標は一日も休まずにジムに通う事という安易なものと
インストラクターの姉ちゃんにマラソン大会で勝つことという不埒なものだった
彼女はローカル大会では常に上位に入っていたので勝つのは無理だろうと思っていたけどその年の鯖江つつじマラソン大会であっさりと俺は勝ってしまった
その時のタイムは5kmの部で22分4秒だった
今では同じ人間だとは思えないようなタイムだ
一昨日、再会した高校時代の同級生ツジモリ君は何年か前に脊椎管狭窄症の手術を受けたとかで杖をつきながら歩いていた
彼はタバコは吸ったことはない
若いころは頑丈な体つきをしていたが腰の手術と糖尿病で今は歩くのも辛そうだ
いったい俺と彼の間にどんな違いがあるのだろう?と思ってしまう
それはもう、ただただ運としか言いようがない
とはいうものの俺だって今から数分後に脳溢血でこの世を去ってしまうかもしれないのだ
「元気そうに見えたのにのおおお・・・」と人々は言うだろう