近頃は「応援ナビ」という便利なアプリが開発された
これはタイムの計測用にランナーが足に着けるチップを機械で追跡してランナーが今どの辺を走っているのかを地図上に示してくれるというものだ
今まではランナーを応援している人たちはランナーの走力と時間を考慮して
スタートしてこれぐらいの時間だったらこの辺かなと見当をつけてそこに先回りをしなければならなかった
参加者の数が2000~3000人のローカルな大会ならば意中のランナーを見つけることもたやすいが、これが参加者1万人以上のマンモス大会ともなるとなかなか見つけることが難しい
予想ではこれぐらいにここを通るはずなんだけど、まだ来ない
今日は調子が良くてもうすでに通り過ぎてしまったのかもしれない
いやいや、へたするとどこかで転んで大幅に遅れているのかもしれない
今まではそんなことを考えながら応援する人たちはヤキモキしていたのだ
ところがこのアプリのおかげでランナーの走っている位置がリアルタイムで解るようになった
まあ、俺に言わせればそのヤキモキもマラソン大会の醍醐味だったような気もするんだが・・・・
なんでもかんでも便利になったらいいってものじゃないような気がしている
実際、ボッチと俺のマラソン勝負数え唄もこのアプリのおかげで味気ないものなってしまった
今までは30km過ぎて足が止まったボッチを俺が追いかける展開で
ボッチはひたひたと後ろに迫ってくる俺の足音に怯えながら
それでも心が折れて歩いてしまう・・・・というようなレース展開だったのに
今では「あ~やっちゃんは、あの辺か・・・んじゃ、まだまだ追いつかれんな・・・」
と余裕のよっちゃんで呑気に歩いているのだ
人間の心からドキドキワクワクを奪ってしまうIT(AI)?技術?って、どーなんだろうね?・・・・