俺には学生時代に知り合ったフジキという友達が居る

俺は1浪しているがフジキは現役で入学しているから高校までの学年は一つ下だ

そんなわけで、とかくフジキのことを下に見た物言いを俺はするが

実は心の中ではフジキのことをとてもリスペクトしている

彼はとにかく、ちょっと考えるのだ・・・・このちょっとというのがとても大事だ

と、俺は思っている

何かを食べる時、お金を使う時、何かを口にして話す時・・・・・

とにかく何をするにしても彼はちょっと考えるのだ

俺にはそれが出来ない

俺は即決・即断・即実行の直情型で感情の趣くままに生きてきた

それはそれで俺の個性だから仕方がないとは思うがフジキの生き方はとても利口だと俺は思っている

彼は大学からそれなりの企業に就職して、結婚して、二人の子供を育てたが

千里山に家を建て、今は夫人と海外旅行に行けるほどの財を成した

それは彼がちゃんと考えてお金を使ってきたからである

彼は決してケチというわけではないのだ

ただ、お金を使う時に必ずちょっと考えるのだ

この(ちょっと)が何ヶ月、何年、何十年と重なるとこうなるのだという良い例がフジキなのだ

実際にフジキと毎日のようにつるんで遊んでいた1回生の時は俺も金が貯まったが

2回生になって鈴木のセンセと付き合うようになってからは毎日ピーピーの貧乏生活だった

猛母が生きている頃、テレビで年金が少なすぎると嘆いている高齢者を見ると

「ふんッ!お前ッ 昨日産まれて今日80歳になった訳じゃなかろう!

80年も何しとったんじゃ!どーせ、フラフラとお金使ったに決まっとる!!」

とテレビに向かって悪態をついていた

まあ、世の中には運の悪い人もいるから全部が全部そうではないとは思うが猛母の言い分も一理あると俺は思っている